忍野八海、竜の話、0円ハウスの共通点

昔は自然の神様や「竜王」たち、そしてそれらと共に生きる人々が住む、ひっそりした村だったであろう(そして一緒に行った耕二さんの記憶に今でも美しく残っている)忍野八海が、今では自然破壊も進み、完全に観光化されてみやげ物屋でいっぱいだったことと、かわせみ座人形劇の竜のお話が、どうも重なって考えさせられる。

作物がとれなくて困った村人が、竜のせいだと嘘をついて街のお侍に竜の爪を献上したことで、食べ物がもらえて村がうるおった。そして竜がいる山、として知られるようになり、村では竜まんじゅう、竜の爪せんべい、竜そばなどが名物として作って売られるようになった。

人形劇では滑稽だったけど、忍野八海には、そこでそうした物を売って暮らす人々がいて、それを買う人々がいた。泉の伝説に生きる「竜王」たちの姿は、そこには見えず、人工の池を掘る機械の騒音が響いていた。

人間の営み、ということなんだろうけど、そして私も生まれてからずっとその恩恵を受けてきていて、流通システムの中で生きているわけだけど、教育制度から政治まで、すべて商業・産業をこんなに前面に押し出して進めて、いったいぜんたい、私たちどこへ行こうとしているのか、、、。 もう引き返せない大変な所まで来てしまった、ということは皆承知なのに、資本主義のリズムに乗って先へ先へと無闇に急ぐ私たち。

そんなとき、これ、面白いよ!といって友だちがくれた本が、「独立国家のつくりかた」坂口恭平著。

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最近読んだ本の中で、一番面白かった! 共鳴した、という人が多いのは、みんなうすうす気づいていて、分かってはいるんだけどやめられないことや、今まで気がつかなかった視点を、分かりやすく肯定的に書いているからだと思う。 お薦めです!! 講談社現代新書。

「僕が子供の時から持ってる質問」

1、なぜ人間だけがお金がないと生き延びることができないのか。そして、それは本当なのか。

2、毎月家賃を払っているが、なぜ大地にではなく、大家さんに払うのか。

3、車のバッテリーでほとんどの電化製品が動くのに、なぜ原発を作るまで大量な電気が必要なのか。

4、土地基本法には投機目的で土地を取引するなと書いてあるのに、なぜ不動産屋は摘発されないのか。

5、僕たちがお金と呼んでいるものは日本銀行が発行している債券なのに、なぜ人間は日本銀行券をもらうと涙を流してまで喜んでしまうのか。

6、庭にビワやミカンの木があるのに、なぜ人間はお金がないと死ぬと勝手に思い込んでいるのか。

7、日本国が生存権を守っているとしたら路上生活者がゼロのはずだが、なぜこんなにも野宿者が多く、さらには小さな小屋を建てる権利さえ剥奪されているのか。

8、2008年時点で日本の空き家率は13.1%、野村総合研究所の予測では2040年にはそれが43%に達するというのに、なぜ今も家が次々と建てられているのか。

歩き方を変える。視点を変える。思考を変える。

それだけで世界は一変するのである。自分に無数の「生」の可能性があることを知る。

(プロローグより)

世界中で視点のシフトが起きている!

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