時空を超える乗り物

去年この島に引っ越してきてから、毎月1回満月の夜に、近くのビーチで満月の集いをしている。仲間が大勢集まって、午後から場を自然の素材やロウソクで飾ったり、太鼓を幾つも持ってきたり、ダンスをしたり、(この島にはディズニーランドがあるのでそこのパフォーマーたちが)かなりの技で火のたいまつを太鼓に合わせて回したり、夜食の差し入れがあったり、とにかくそれぞれが好きなことをしながらキャンプファイヤーを囲み、満月の夜を一緒に楽しむ。街からテント持参で来る人も、また遅くなって落ち着いたころにギターを弾き始める人もいる。

今月は金曜の夜だったこともあり、子供たちの参加もいつもより多かった。遠浅の海に入ったり出たりしながら、嬉々として遊びまくっていたかと思うと、皆で火の周りに膝まずき(アラーの神を拝むような格好で)何か大声で唱えながらひれ伏す動作をしばらく繰り返していた。周りでは大人たちも踊っていて、自由で自然な表現だな~と思って(太鼓を叩きながら)その光景を見ていた。

太鼓や笛の音は、私たちの奥深くにある太古の記憶を蘇らせる、時空を超えた乗り物みたいだ。特に自然の中で火を囲んでのこうした集いは、大昔のそれと本質的にはたいして違わないのではないかな。あまり言葉を発する必要もなく、ダイナミックな音と共鳴しながら、表現しながら、眺める美しいフォルムの山並み。

音楽の中に詩的なクォリティーがあるのか、詩が音楽的なのか、どちらともいえないけれど、普段の大人の経済活動からかなりの距離を置いた別次元の中で、キラキラ輝く人たち&子供たち。目に見えない世界で、波動(バイブレーション)がどんどん高まっていく感じ。まるで宗教以前の宗教のような、、、。

(現代の形態でなく古き)日本の神道は、こうしたことを唱えていたのではなかろうか、と思ったりしている。

燦然と輝く満月の下、彩と私もテントに泊まった。4面とも蚊帳のようなメッシュ素材なので(風通しもよく)、ごろりと横になってお月様を真上に見ながら眠りについた。波の音が心地よかった。

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