今年の夏休み、娘と二人で5週間、南インドを旅して来ました。
寝台列車や夜行バス、三輪オートタクシーなどを乗り継いだ、親子バックパッカーの冒険旅行で、いろんな所へ行き、いろーんなことがあって、いろんな人にあったなー。
インドで誕生日を迎えた娘は、いわゆる「9歳の壁」をというのを越えたのか、自分を囲む世界観がぐっと広がったのか、いろんな意味で大いに成長した様子。
南インド東沿岸のチャナイ(旧マドラス)国際空港から、タミル州ティルヴァンナマライへタクシーでデコボコ道を3時間半。 リンダの持つエコ・ビレッジ「アチャラン」に到着。 真夜中に着いてぐっすり。
私たちの滞在のために完成を急いだというゲストハウス第一号は、やしの葉を編んだ壁とトタン屋根の、その名も「ヘアリー(毛深い)ハウス」。 このほか、ここには土壁とわらぶき屋根の「マッド(土)ハウス」と、石造りの「ストーンハウス」があって、まるで「三匹の子豚」のお話のよう(笑)。
下は私たちの泊まった、ヘアリーハウス。 梯子階段は、木と麻紐だけでとてもしっかり作ってあった。 折畳みの簡易ベッドをリンダが近所のうちから借りてきて、セトアップしてくれた。
大きな敷地の目の前には、アルナチャラ山が見える。
アルナチャラはシヴァ神の顕現と言われる聖なる山だそう。
高さは1000メートル以下だから、ほんとは「丘」。
空がどんよりしてるけど、降りそうでなかなか降らない。
ちょうど乾期の最後の時期だそう。 乾いた熱風は、湿度の高い香港とは大違い。
着いた翌日の朝、わりと近くからタイコとチャルメラの素敵な音楽が聞こえてきた。 葬式だそう。
何時間も音楽が延々と続き、じゃぁ見に行こうか、と話していると、向こうからこちらへやって来た。
「アチャラン」の門のすぐ外には、The Point of No Return (後戻りすることのない道角)をマークする石碑があって、葬式の行列がそこで尖角に向きを変え、村の外へ死者を運んでいくんだよ、と「アチャラン」管理人カノンが話してくれた。
大量の花々があたり一面に撒かれ、行列の通る村の小道が鮮やかな色に染まっていくのを門のところで娘と見ていた。 村人たちに担がれたおみこしのようなものがぐるっとそこで向きを変えたらなんと、その上で死者がこちらを向いて座っていた!
男の人の顔がまっすぐこちらを向いていて、ぎょっとした!
15年以上前に行ったガンジス川辺で見た火葬もそうだったけど、人の「死」がかなりオープンに存在するここインド。
初日の朝からこれで、大丈夫かなーと思ったけど、うちの8歳児はその瞬間驚いてはいたものの、
怖がらず受け止めていたようだった。 ほっ
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