インドの旅 その2 満月の夜のプラダクシナ

アルナチャラ山を巡る修法に、プラダクシナというのがある。お山の周囲を裸足で一周するもので、外回りと内回りの二つがあり、外回りは山の周りの一般道、内回りは山裾の小径。

この聖山を巡ることで、エゴや病、苦しみ、驕りなどが燃え落ち、精神が昇華されると言われ、毎月満月の晩に何千人もの人々が黙々と(そしてかなり速く)歩く。 年末のシヴァ祭のときは、ギー(精製バター)を燃やして山頂にかがり火がともるそう。

お寺のあちこちで蝋燭でなく樟脳が燃やされていた。 樟脳はなんの跡形もなく燃え尽きるので、比喩としてぴったりだ。

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外回りは行程14kmで、私たちは道の両側にある様々なお寺のうちのいくつかに寄ったり、チャイ(インドのミルクティー)やイディりー(米粉製の蒸しパン)、冷たいサトウキビジュースで休憩したりしながら、5時間以上かけてこれを一周歩いた。

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道脇のスピーカーからは、「オーム」が繰り返し繰り返し唱えられていたほか、道脇に座る、腰巻をまとっただけの修行僧たちのタイコと歌に合わせて、私たちも歌い、踊ったりもした。

リンダはヒンドゥー教の神々の出てくる神話や、インドの聖人たちについての知識が豊富で、真に素晴らしいガイドだった。 1年のほぼ半分を香港で過ごし、あとの半分をインドで過ごす彼女は、もちろんプラダクシナに慣れていて、インド人と同じように裸足で、私と娘はサンダルを履いて歩いた。

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