今年の誕生日、何年か振りにオーシャンパークへ行きました。
目に付いたのは、そこらじゅうに掲げてある自然保護的なメッセージ。
私の目には、この時代の風を受けての苦肉の策?といった印象。
「人類は自己のニーズを満足させるために、海洋を苦しめています」
魚の捕りすぎについての教育ビデオもあった。
「捕りすぎると、私たちの子供たちが食べる分がなくなってしまいます」
「地球上には、すべての人のニーズを満たす分があるのに、
人の欲望を満たすには足りません」
「希望の種を植えましょう!」
「皆で一緒に世界を変えていきましょう!」
世界的霊長類学者、ジェーングドールの著書「森の旅人」の
原題は、「Reason For Hope」 直訳すると「希望を持つ理由」。
「希望を植えていこう」とうたうオーシャンパークが
去年再び香港を訪れたジェーンを招待したところ、
「イルカのショーをやっているようなところは、いい団体であるわけがない」
と言って、ぴしゃりと断ったことは、大きく報道された。
近代科学の進歩によって、イルカなどの種の社交性、知性のほか、
聴覚によるコミュニケーションや、行動範囲の広さ等がわかって
水族館の水槽に入れておくことが、虐待であるという考え方が
一般にも広まってきている。
動物を使わないサーカス、シルク・ドゥ・ソレイユや
商品開発過程で動物実験をしない化粧品ブランド、ボディーショップ
なども、市場に登場して30年ほど経つ。
江戸時代には徳川将軍が生類憐みの令を出したこともあった。
「お犬様」だけではなく、魚や貝類、鳥、虫類にまで及んだそう。
国民の暮らしの豊かさを示す「国民総幸福度」で有名なブータンでは
王様が、自然破壊をするものを罰する法律を出している。
こうして世論は変わっていく。
色即是空、空即是色。
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